わきがの治療をしたいと考えて病院に行こうと思ったとき、何科に行けば良いのかわからないなんてことがあると思います。
わきがの診断は病院では皮膚科、形成外科。クリニックでは美容形成外科、美容外科があるところで診察してもらうことができます。
わきがかな?と思ったらまず皮膚科を受診してみましょう。
わきがは比較的患者の多い病気ですから、普通の皮膚科医にとって見慣れた疾患です。
外用薬やスキンケアでは満足が得られないような重症のわきがで、手術やボトックス治療を希望される場合は、普通の皮膚科では対応していないことがあります。そのような治療を行っているかどうかをあらかじめ問い合わせてから受診すると、時間と費用のムダを防ぐことができます。
手術やボトックス治療は形成外科や美容外科などで経験豊富な施設が多いです。
また、現実的にはわきがで多数の医療機関を受診しても、なかなか満足の得られない方が少なくありません。医師から客観的に「悪臭がない」と診断を受けて、その旨説明されても、本人には悪臭が感じられてしまうというケースも多いのです。そのような場合では、家族や親しい友人にも悪臭は感じられないのですが、本人は悪臭を感じているので毎日が心配で苦痛に満ちたものとなってしまします。
このケースの考え方としては二つあります。
一つは本人が自分の脇の臭いに対して鋭い嗅覚を持っていて、嫌悪感を感じてしまうというケースです。嗅覚には、種差や個人差が大きいのです。「種差」というのは、犬とヒトとの違いなどのことですが、犬は人よりずっと鋭い嗅覚があることがよく知られています。嗅覚には個人差も大きく、香りの好みは千差万別で多種多様な香水が販売されています。つまり嗅覚がするどい人の場合、自分の脇の臭いに特に敏感で嫌悪感を感じてしまうため「自分がわきがである」と意識してしまうのです。この場合は実際には周りの人は全く不快には思っていないので、本人がその現実に気がつけば、問題はなくなります。
もう一つはもっと深刻な場合で、「自己臭恐怖症」という疾患になってしまっているケースです。自分の脇の臭いを長年にわたって心配し続けていることが、自分のにおいに恐怖を感じるような状態になってしまうことに関係している可能性もあるため、わきがが心配になったらできるだけ早く皮膚科を受診してください。
自己臭恐怖症では、周囲の人の何気ない態度を、全て自分のわきがのためであると解釈してしまってどんどん精神的に追い込まれてしまいます。進行すると、通常の社会生活を営めなくなることがあります。自己臭恐怖症は有効な薬物治療がありますが、主に担当するのは精神科です。皮膚科医からそのような可能性を指摘され精神科の受診を勧められた時には受診してみてください。精神的な辛さが、楽になる可能性があります。