治療したのに臭いがする
わきが治療のトラブルと言ってもいいくらい多く、さらなる悩みに発展することも少なくありません。なぜ、このようなトラブルが起こるのでしょうか?
主な原因として、次の理由が考えられます。
手術=無臭という誤解
わきがの手術をすると無臭になると思っている方は多いかもしれません。しかし手術で全ての汗腺を取り除くのは不可能なことであり、破壊した汗腺の5~10%は再生する可能性があると言われています。
アポクリン腺をきちんと取り除けていれば、ごく自然な体臭レベルになることが多いものです。しかし、そのにおいも気になってしまい、結果「治っていない」と感じる方が多いことも事実です。
わきが手術の目的は、“100%無臭無汗になる”のではなく“制汗スプレーなどわきがのない人が行っているケアさえしていれば、においが気にならなくなるレベルにする”ことです。
傷あとや色素沈着のトラブル
傷あとが残りやすいのは、ワキの下にメスを入れる剪除法(せんじょほう)です。縫合技術によっては非常に目立つ跡になることもありますので、慎重に選択する必要があります。メスを入れない治療法もありますが、傷あとを気にするあまり症状と合わない治療法を選んでしまったら元も子もありません。
色素沈着は手術後の炎症が原因で起こります。この色素沈着は時間と共に薄れていきますが、状態や体質によってシミのように残る場合もあります。
ビューホット(ViewHot)治療に関して
最近ビューホットによるわきが、多汗症治療を受けられて治療効果が無い、痕が目立つように残ってしまった患者様が複数来院されるようになりました。
ビューホットは針を皮膚へランダム(非選択制)に刺して高周波による熱を真皮及び、皮下に与え汗腺を破壊するという理論で韓国で開発されたものです。
しかし、大きな欠点があります。
まず、1回で治療効果を出そうとするあまり皮膚へのダメージが予想より大きく出て熱傷を部分的に起こし、正常な皮膚にまでダメージを与える非選択的治療です。ピンポイントで確実に汗腺を破壊するEL法と比較するとその効果は少なくなります。
EL法は、毛穴の1本1本確実に処理を行うため正常な皮膚へのダメージは極めて少なく、ビューホットのように熱傷痕が残るようなことはありません。
ビューホットによるわきが・多汗症治療は、長期予後も未だ確定せず、術者によって効果にも差が大きく、施設によっては看護師が流れ作業的に行っているケースも有るようです。
ビューホット治療を受けて効果がなかった患者様や、ビューホットによる熱傷痕、色素沈着などが残った方もEL法では確実な効果で満足されています。
ミラドライによるわきが治療に関して
EL(Electrolysis)法はミラドライと比較しまして効果持続、施術後のダウンタイム、痛み、治療時間、麻酔リスクなどほぼ全ての項目で有効性・安全性、簡便性が高いことを約束します。
マイクロウェーブ(超短波)を搭載した今注目の新しい多汗症『ミラドライ』は、皮膚を切開する ことなく外科手術と同程度の治療効果を半永久的に得られます。との謳い文句ですが、長期的効果は今後の検討にゆだねられます。
欧米では汗に対して有効性は認める論文が出ていますが、臭いに関する効果の論文は少ないようです。
また、施設によっては看護師任せの施術を施行するケースもあるようです。
高度で熟練した技術が不要な治療でシステムの価格が下がり、導入が多くの医療機関で進むと治療法も確立され、普及し選択肢の一つとなるかもしれません。