ワキガ対策としてのアルコール消毒

ワキガの臭いはアポクリン腺からの汗と、それを皮膚の上で分解する常在菌によって生み出されます。そのため、アルコールで殺菌すると、アポクリン腺から汗が分泌されても分解者がなくなるため、臭いを抑えることができるのです。

アルコールの殺菌力は非常に強く、塗布してからおよそ30秒で99パーセント以上の細菌が死滅するといわれています。

 

ワキガ対策として使用するアルコールは、ドラッグストアなどで市販されている消毒用のアルコールで基本的には問題ないでしょう。これは、一般的にエタノールやイソプロピルアルコールなどと呼ばれているもので、エタノールの方が広く一般的に使われています。

エタノールは濃度が40%くらいから殺菌効果が飛躍的に現れ、70%で殺菌効果が特に高くなると言われます。そのため濃度が70%前後のエタノールを使用すれば、脇の臭いを効果的に殺菌できるでしょう。一般的にエタノールのほうが殺菌力は強いといわれていますが、ワキガの原因菌に対してはどちらも大差はありません。

ただ、肌への刺激という点では、イソプロピルアルコールのほうがややマイルドとされています。

近年は、保湿成分が配合された手用の消毒用アルコールやエタノールもあります。使う際はコットンなどに液体を含ませて、軽く脇の下に当てるようにするだけでOKです。擦らずに毛穴に押し込むイメージで脇を押さえましょう。

 

また覚えておきたいのは、「皮膚の常在菌は、必要なものだ」ということです。

確かにワキガ体質の人にとっては、臭いを作り出す厄介な存在ではあるのですが、常在菌には外部からの刺激や病原菌から皮膚を守る役割もあります。

ですから1日に何度も消毒を繰り返してしまうと、肌のバリア機能が失われてしまいかねません。もちろん皮膚の炎症やかぶれにもつながりますので、1日に2回くらいまでの使用にとどめたほうが安全です。また細菌は繁殖力が強いため、殺菌してもすぐに増えてしまいます。

消毒後3~4時間経ったころには元通りの数にまで戻ってしまうことが一般的ですから、あくまで「臭いの気になる時の一時的な対策」として使用したほうがいいでしょう。